マグワ根皮エキス/MORUS ALBA ROOT EXTRACT
マグワ根皮エキスとは
マグワ根皮エキスは、クワ科の植物であるマグワ(学名:Morus alba)の根の皮から抽出された植物エキスです。抽出には、水、エタノール、1,3-ブチレングリコール(BG)またはこれらの混合液が使用されています。
マグワ(真桑)は、中国が原産とされており、中国全土で広く栽培されています。マグワはカイコの餌として、日本で栽培されていました。
養蚕地帯である長野県で生産がさていましたが、養蚕が衰退するに連れてマグワの栽培も衰退してしまったため、現在はマグワの多くが中国からの輸入に頼っています(1、2)。
マグワの根皮は、桑白皮と呼ばる生薬として、滋養食などに長年用いらてきました。また、漢方分野では、肺炎による咳や喘息を鎮める目的で、主に鎮咳薬として利用されています(1、2)。
マグワ根皮エキスは、天然成分であるために、国や地域、収穫の時期や成分の抽出方法によって、構成する成分に多少の違いはあるものの、主にモルシンなどのイソフラボノイド類やα-アミリンなどのトリテルペン類、オキシレスベラトロールなどのスチルペン類から構成されています(1、2、3)。
マグワ根皮エキスは、含有するオキシレスベラトロールに、シミの原因であるメラニンを生産するチロシナーゼの活性を抑えることが報告されているため、美白作用を目的としてスキンケア製品やシート&マスク製品に利用されています(4)。
上記に加えて、マグワ根皮エキスにはコラーゲンの分解をするコラゲナーゼの活性阻害を持っていることが報告されており、肌へハリやツヤを与えることやシワ・タルミを目立たなくすることを目的に化粧品に利用されています(4)。
また、マグワ根皮エキスには腋臭成分の一つである1-octen-3-one(OEC)の生成阻害活性もあることが報告されているため、腋臭抑制を目的としても化粧品に含有されています(4)。
マグワ根皮エキスの配合目的
- チロシナーゼ活性阻害による色素沈着抑制作用
- コラゲナーゼ活性阻害による抗老化作用
- OEO生成阻害による腋臭抑制作用
マグワ根皮エキスの安全性情報
皮膚への刺激性に関しては、安全性試験データから刺激なしとなっています。よって、一般的には皮膚へに刺激性は低いと考えられます。一方、目への刺激性に関しては安全性試験データが現在のところ見当たらないため、詳細は不明となっています(4)。
皮膚への感作性に関しては、日本薬局方および医薬部外品原料規格2021に収載されていること、20年以上の使用十性の中で大きな皮膚感作性に関する報告がされていないことから、一般的な使用の範囲であれば、皮膚への感作性は低いと考えられます。しかし、安全性試験データが現在のところ見当たらないため、詳細は不明です。
参考文献
(1) 鈴木 洋(2011)「桑白皮(そうはくひ)」カラー版 漢方のくすりの事典 第2版,287.
(2) 御影 雅幸(2013)「ソウハクヒ」伝統医薬学・生薬学,210.
(3) 霜川 忠正(2007)「桑白皮(ソウハクヒ)エキス」化粧品有効成分ハンドブック,39.
(4) 一丸ファルコス株式会社(2003)「コラゲナーゼ活性阻害剤」特開2003-183122.
マグワ根皮エキスに関する日本語の論文情報
桑根皮エキス配合育毛剤の男性型脱毛症に対する効果 (特集 育毛・脱毛・白髪のメカニズム)
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16 桑根皮より得られるプレニルフラボン類の光酸化反応について
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マグワ根皮エキスに関する英語の論文情報
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