プラセンタエキス/PLACENTAL PROTEIN/PLACENTAL EXTRACT)|化粧品全成分|INGREBANK

プラセンタエキスとは

プラセンタエキスは、動物の胎盤から得られるタンパク質です。成分番号は552156、INCI名はPlacental ProteinまたはPlacental Extractとされています。

医薬部外品原料規格では、「プラセンタエキス（１）」～「プラセンタエキス（５）」と、「油溶性プラセンタエキス」の6種のプラセンタエキスが収載されています。

プラセンタ（placenta）とは胎盤という意味です。哺乳類のうち、有胎盤類のメス（人間の女性を含む）が妊娠しているときに子宮に形成される母体から胎児に栄養を送る器官のことです。

チアミン、リボフラビン、ピリドキシン、パントテン酸などの多種のビタミン類、アルギニン、シスチン、グルタミン酸、セリンなどのアミノ酸類、カルシウム、ナトリウム、カリウムなどのミネラル類、コレステロール、酵素、デオキシリボ核酸などが含まれています(4)。

プラセンタの配合目的

保湿
血行促進効果
美白作用

働きと用途

プラセンタは、古くから使用されてきていました。中国の明王朝、1500年代の終わりに出版された書物「本草綱目」には、プラセンタが「紫河車」という名称で載っています。

現在でも、日本の薬局方にあたる中国の公定書、薬典(2010)では「強精，強壮薬として，インポテンツ，不妊症，習慣性流産，虚労，遺精などに応用し，また催乳の効がある」とされています(5)。

プラセンタは、第二次世界大戦末期の日本で経口栄養剤が開発され、当時、妊婦の栄養状態と出産後の母乳の出の改善に寄与し、新生児の死亡率低下に大きな効果を示しました。

化粧品分野では、保湿効果や皮膚の血行促進効果、新陳代謝作用を持ち、頭髪脱毛などのトラブルを防ぎます。

また代謝を高めることで、メラニンを排出し、日焼けによるしみ、そばかすを改善し、色素沈着を防ぐ効果があります。

化粧水、クリーム、美容液、美白化粧品、薬用化粧品、皮膚コンディショニング剤、ヘアコンディショニング剤、保湿剤、細胞賦活剤として使われます(4)。

プラセンタエキスの安全性情報

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12042062/

プラセンタエキスの安全性については、いまだ充分に検証されていません(5)。

胎盤は、母体から胎児に危険性のある物質が入らないようにフィルターの役目もしているので、その生育状況によっては有害物質が混入する危険もあります。

日本ＳＰＦ豚協会が設定した微生物や寄生虫由来の病原菌のいない豚の胎盤から採取されたプラセンタであることを示す表示などのように、胎盤の安全性を確認すべきです(6)。

また、アレルギーを起こす場合もありますので、使用前にはパッチテストを実施することも必要です。

参考文献

(1) 日本化粧品工業連合会　プラセンタエキス　平成13年3月6日付医薬審発第163号・医薬監麻発第220号厚生労働省医薬局審査管理課長並びに同監視指導・麻薬対策課長通知

(2) 医薬部外品原料規格　プラセンタエキス（１）、プラセンタエキス（２）、プラセンタエキス（３）、プラセンタエキス（４）、プラセンタエキス（５）

(3) ウシ等由来成分を原料として製造される医薬品、医療用具等の品質及び安全性確保の強化に係る承認申請等の取扱いについて医薬審発第１４３４号平成１３年１０月１６日

(4) 化学成分用語辞典　プラセンタエキス

(5) 民族薬物データベース　富山大学　和漢医薬学総合研究所　民族薬物資料館　紫河車

(6) Final report on the safety assessment of human placental protein, hydrolyzed human placental protein, human placental enzymes, human placental lipids, human umbilical extract, placental protein, hydrolyzed placental protein, placental enzymes, placental lipids, and umbilical extract Int J Toxicol. 2002;21 Suppl 1:81-91.

プラセンタエキスに関する日本語の参考論文

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高橋達治

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原液を高濃度配合した「プラセンタ化粧品」で根強い愛用者を獲得--医薬品・サプリメントとグループシナジーで"総合美容"めざす--西原雄一郎ビービーラボラトリーズ社長に聞く

西原雄一郎ビュ-ティビジネス (138), 56-59, 2009-07

この人に聞く研究最前線医薬・化粧品から健康食品まで利用広がるプラセンタ美容食品だけではない機能性の解明進む--スノーデン取締役・学術部長高橋洋氏

高橋洋 Food style 21 12(4), 12-14, 2008-04

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プラセンタエキス中の活性成分の検討　炎症に対するプラセンタエキスの効果:炎症に対するプラセンタエキスの効果

伊東泰美 , 松田良蔵 , 伊東泰通日本化粧品技術者会誌 27(3), 506-513, 1993 J-STAGE

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今原広次 , 伊東泰美日本化粧品技術者会誌 16(1), 10-14, 1982 J-STAGE

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伊東泰美 , 今原広次 , 西崎郁夫日本化粧品技術者会誌 15(1), 27-31, 1981 J-STAGE

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近松義博 , 安藤裕 , 川島嘉明日本化粧品技術者会誌 14(2), 138-145, 1980 J-STAGE

プラセンターリキッドのチロシナーゼ阻害力及びアルカリフォスファターゼ活性の保持性今原広次 , 西崎郁夫 , 伊東泰美日本化粧品技術者会誌 13(1), 52-56, 1979 J-STAGE

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症例報告 Generalized morpheaの2例

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素材レポート紫外線照射皮膚障害マウスモデルにおける外用ブタプラセンタエキスの効果

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小池浩司 Anti-aging science : 脳心血管抗加齢研究会機関誌 5(2), 120-126, 2013-06 医中誌Web

更年期からのアンチエイジング : HRTとプラセンタ療法を中心に (第27回日本女性医学学会学術集会) -- (教育講演記録美と健康を保つ女性学)

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