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登録件数: 15069 件

表示名称成分詳細

ヒマワリ種子油脂肪酸フィトステリル

成分番号(JP number): 561411

INCI
PHYTOSTERYL SUNFLOWERSEEDATE
定義(Description)
本品は、ヒマワリ種子油(*)から得られる脂肪酸とフィトステロールズ(*)の反応により得られるエステルである。Fatty acids, sunflower (Helianthus annuus) seed oil, (3-.beta.)-sigmast-5-en-3-ol ester
日本の規制情報(Japanese regulation information)
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中文inci(CN/中国名称)
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中国の規制情報(Chinese regulation information)
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韓国inci(KR/ハングル/성분명)
피토스테릴선플라워씨데이트
CAS No.
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EC No.
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EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
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関連原料

原料名 表示名称 INCI

ヒマワリ種子油脂肪酸フィトステリル/PHYTOSTERYL SUNFLOWERSEEDATE

ヒマワリ種子油脂肪酸フィトステリルとは

ヒマワリ種子油脂肪酸フィトステリルは、成分番号 561411、INCI名 Phytosteryl Sunflowerseedateであり、本品は、ヒマワリ種子油から得られる脂肪酸とフィトステロールズの反応により得られるエステルであると定義されます(1)。

医薬部外品原料規格の「オレイン酸フィトステリル」Phytosteryl Oleateの一種で、けん化価 :70~95、ヨウ素価 :40~60 と規定されています(2)。

ヨウ素価100以下の不乾性油であり、皮膚を薄い膜で覆います。

ヒマワリ種子油は、原料となるひまわり種子の品種の違いによって高オレイン酸(ハイオレイック)、中オレイン酸(ミッドオレイック)及び高リノール酸(ハイリノール)に区別されています。

高オレイン酸(ハイオレイック)は、オレイン酸80.0%、リノール酸6.6%、中オレイン酸(ミッドオレイック)はオレイン酸57.0%、リノール酸28.0%、高リノール酸(ハイリノール)は、オレイン酸27.0%、リノール酸58.0%と、それぞれ脂肪酸組成が異なります(3)。

医薬部外品原料規格では、これをヒマワリ種子油(1)とヒマワリ種子油(2)に分類していますが、ヒマワリ種子油脂肪酸フィトステリルの合成に使用されるヒマワリ種子油の種類には指定がありません。

ヒマワリ種子油脂肪酸フィトステリルの配合目的

  • エモリエント効果
  • 抱水性
  • 保湿性
  • 保護膜形成

ヒマワリ種子油脂肪酸フィトステリルは、スキンケア製品やメイクアップ製品、シャンプー、ヘアコンディショナー、ボディソープ、洗顔料、クレンジングなどに配合されています。

働きと用途

皮膚表面の層を角層といいますが、角層の細胞の間には細胞間脂質と呼ばれる脂質が存在します。

角層細胞と角層の細胞間脂質は、レンガとモルタルに例えられる関係です。

健康な肌の角層では、角層細胞の間で、細胞間脂質が角層細胞どうしをつなぎとめる働きをします。

細胞間脂質は、セラミド、コレステロールなどを成分とする脂質の層と水分子の層が規則正しく何層も重なり合い、「ラメラ構造」と呼ばれる層状の構造をつくっています。

ラメラ構造は、疎水層と親水層を繰り返すミセル様の構造をしており、この構造が、脂質が水分を挟み込み、肌の水分を維持する機能を持っていると考えられています。

このバリア機能は、皮膚内に水分が過剰にあるときは蒸散でき、ある一定の水分を肌に保持する働きをしており、外的刺激から皮膚を防御するといった重要な役割を担っています。

細胞間脂質の構成は、セラミド、糖脂質、コレステロール、コレステロールエ ステル、遊離脂肪酸で構成されています(4)。

角層細胞間脂質のラメラ構造が形成されるためには、セラミド、脂肪酸、コレステロールなどの脂質成分の構成比が重要で、その比率の偏りが、ラメラ構造の性状を変化させ、肌のバリア機能を損ないます。

健康な肌では、細胞間脂質はセラミド、コレステロール、遊離脂肪酸が1:1:1(重量比でセラミド50%、コレステロール25%、遊離脂肪酸10%~20%)の割合で存在するのが理想的です。

ヒマワリ種子油フィトステリルは、角層の細胞間脂質に類似し、細胞間脂質の脂質成分の構成比に影響を与えず、単独でラメラ液晶を形成することができます。

肌に、しっとりとした感触を与える物質であり高い抱水性があるため、肌の保湿性を改善し、経皮水分蒸散量(TEWL)を抑え、しっとりとしたバリア性の高い健康な肌に導きます。

エモリエント効果を持つ物質です。

また、ヒマワリ種子油脂肪酸フィトステリルは、毛髪においてツヤとうるおいを付加します。

ヒマワリ種子油脂肪酸フィトステリルの安全性情報

https://www.cir-safety.org/sites/default/files/Phytos_122013_Final.pdf

ヒマワリ種子油脂肪酸フィトステリルの安全性は、使用実績と重大な皮膚刺激および皮膚感作の報告がないことから、現在の配合量では安全に使用できると推察できますが、原料やメーカーによって変わりますので、不明です。

参考文献

(1) 日本化粧品工業連合会 ヒマワリ種子油脂肪酸フィトステリル 平成13年3月6日付医薬審発第163号・医薬監麻発第220号厚生労働省医薬局審査管理課長並びに同監視指導・ 麻薬対策課長通知

(2) 医薬部外品原料規格 ヒマワリ種子油脂肪酸フィトステリル

(3) 食用ひまわり油の脂肪酸組成は、どのようになっていますか。:農林水産省 (maff.go.jp)

(4) 皮膚角質細胞間脂質の構造と機能 芋川玄爾 花王基礎科学研究所 油化学 第4巻 第10号 (1995)

ヒマワリ種子油脂肪酸フィトステリルに関する日本語の論文情報

145 炭素13核磁気共鳴法による丸のままの一粒ヒマワリ種子の脂肪酸組成の非破壊測定

佐藤 哲生 , 高畑 康浩 , 野田 高弘 , 森下 敏和 , 酒井 真次 日本作物學會紀事 64(別号2), 289-290, 1995-11-24

39 近赤外分光分析法による剥皮一粒ヒマワリ種子の脂肪酸組成の非破壊測定

佐藤 哲生 , 高畑 康浩 , 野田 高弘 , 柳澤 貴司 , 森下 敏和 , 酒井 真次 日本作物學會紀事 64(別号1), 78-79, 1995-04-03

米糠および数種の油糧種子中のトリアシルグリセロールの分子種

間野 康男 [他] , 大西 正男 , 佐々木 茂文 , 小嶋 道之 , 伊藤 精亮 , 藤野 安彦 日本栄養・食糧学会誌 42(3), 251-258, 1989 J-STAGE

ヒマワリ種子油脂肪酸フィトステリルに関する英語の論文情報

Preparation of phytosteryl ornithine ester hydrochloride and improvement of its bioaccessibility and cholesterol-reducing activity in vitro.

Jia C, et al. Food Chem. 2020.PMID: 32554308

A new approach for facile synthesis of phytosteryl phenolates.

Wang H, et al. Food Chem. 2018.PMID: 29784324

**Phytosteryl** sinapates and vanillates: chemoenzymatic synthesis and antioxidant capacity assessment.

Tan Z, et al. Food Chem. 2013.PMID: 23411265

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引用/最新情報(Quote and Rates information)
  • Japan Cosmetic Industry Association(https://www.jcia.org/user/business/ingredients/namelist)
  • MHLW(化粧品基準, https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/keshouhin-standard.pdf)
  • 化粧品に配合可能な医薬品の成分について(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb3437&dataType=1&pageNo=1)
  • NMPA(已使用化妆品原料目录(2021), https://www.nmpa.gov.cn/directory/web/nmpa/xxgk/ggtg/qtggtg/20210430162707173.html)
  • JETRO(添付書類二 化粧品への使用制限成分リスト, https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/report/07000822/attachment2.pdf)
  • The European council(https://ec.europa.eu)
  • Korea cosmetic association(https://kcia.or.kr/cid/main)
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