トリイソステアリン/TRIISOSTEARIN
トリイソステアリンとは
トリイソステアリンは、イソステアリン酸とグリセリンのトリエステルで以下の化学式で示されます。INCI名 は 、TRIISOSTEARINです(1)。
医薬部外品原料規格では、「トリイソステアリン酸グリセリル」、英名Glyceryl Triisostearateとして収載され、けん化価 185~210と規定されています。
粘度が高く、密着感、艶がある油剤で、低極性エステル、高極性エステル、植物油、ひまし油、流動パラフィン、低粘度シリコーン、エタノールに可溶であり、水に不溶な物質です(2)。
植物系の脂肪酸と植物系のアルコールのトリエステルで、不快なべとつきがなくリッチな使用感をもち、ダメージ毛の摩擦を軽減します。
トリイソステアリンの配合目的
エモリエント作用
摩擦軽減作用
https://journals.sagepub.com/doi/pdf/10.1080/109158101529025921
化粧品分野では、トリートメント、 コンディショナー、化粧水 / 乳液 / クリーム、ファンデーション / 下地、口紅 / グロス、アウトバスヘアケアに使用されています。
トリイソステアリンの安全性情報
トリステアリンは、トウモロコシ油と比較しても発がん性は低く、またパッチテストにほとんど反応が出ないことが検証されています。
また、0.32%のトリステアリンは、被験者の目に滴下後、一過性の軽度から中度の、眼性刺激を誘発したという報告はありますが、適用範囲内で化粧品に配合される濃度では安全な物質と判断されています(5)。
https://journals.sagepub.com/doi/pdf/10.1080/109158101529025921
参考文献
(1) 化粧品の成分表示名称リスト トリイソステアリン
(2) 医薬部外品原料規格 トリイソステアリン酸グリセリル
(3) サラコス3318 日清オイリオグループ株式会社 日清オイリオグループの化粧品原料製品カタログ
(4) 高級アルコール工業 トリイソステアリン Copyright© KOKYU ALCOHOL KOGYO CO., LTD. All rights reserved.
トリイソステアリンに関する日本語の参考論文
大友 直也 日本食品工学会誌 4(1), 1-9, 2003
道喜 角史 , 戸谷 永生 日本化粧品技術者会誌 32(1), 17-25, 1997
オルガノ(トリフルオロアセトキシ)シランとアルコールおよびエポキシ化合物との反応
石州 延男 , 町田 直樹 , 田中 潔 日本化学会誌(化学と工業化学) 1975(9), 1541-1544, 1975
トリイソステアリンに関する英語の参考論文
Johnson W Jr; Cosmetic Ingredient Review Expert Panel.Int J Toxicol. 2001;20 Suppl 4:61-94.PMID: 11800053 Review.
Surface enhanced Raman spectroscopic monitor of P. acnes lipid hydrolysis in vitro.
Weldon MK, Morris MD, Harris AB, Stoll JK.J Lipid Res. 1998 Sep;39(9):1896-9.PMID: 9741703 Free article.