表示名称

登録件数: 15069 件

表示名称成分詳細

トコフェリルリン酸Na

成分番号(JP number): 556605

INCI
SODIUM TOCOPHERYL PHOSPHATE
定義(Description)
本品は、トコフェロール(*)のリン酸エステルのナトリウム塩である。Sodium salt of a complex mixture of esters of phosphoric acid and Tocopherol
日本の規制情報(Japanese regulation information)
-
中文inci(CN/中国名称)
生育酚磷酸酯钠
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 2
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
소듐토코페릴포스페이트
CAS No.
-
EC No.
-
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-

関連原料

原料名 表示名称 INCI

トコフェリルリン酸Na

トコフェリルリン酸Naとは

トコフェリルリン酸Naは、成分番号 556605、INCI名 Sodium Tocopheryl Phosphateで、トコフェロールのリン酸エステルのナトリウム塩であると定義されます(1)。

トコフェリルリン酸Naは、dl-α-トコフェリルリン酸ナトリウムとも称され、VEP(安定化ビタミンE誘導体)とも呼ばれる物質です(3)。

2004年3月に、dl-α-トコフェリルリン酸ナトリウムを医薬部外品の有効成分として配合した化粧水、メナード社の薬用オキシコントローラーが初めて承認されました(2)。

トコフェロールは、ビタミンEとも呼ばれます。

抗酸化性を持ち、紫外線によって肌に発生する活性酸素を不活化し、肌の若さを保つ働きがありますが、油溶性であり、皮膚表面の細胞間脂質のラメラ構造中水溶性成分に取り込まれにくく、肌に残りにくい側面がありました。

トコフェリルリン酸Naは、このトコフェロールの構造にリン酸基を導入して、水溶性を持たせ、両親媒性とした初めての物質です(3)。

トコフェリルリン酸ナトリウムは、医薬部外品の有効成分として使用できることが化粧品・医薬部外品部会において審議された結果、承認しても差し支えないとされました(2)。

働きと用途

トコフェリルリン酸Naは、活性酸素の除去や、保湿効果、水分保持機能、抗炎症効果によって、優れた肌荒れ防止効果及びバリア性を持ちます。

肌荒れ防止の効能で医薬部外品の有効成分として使用さえるほか、酸化防止剤として添加剤として使用される側面も持ちます。

活性酸素は、紫外線を浴びることで皮膚上で生成されて皮膚障害をひき起こしますが、最近では、一酸化窒素などの活性窒素種も皮膚障害に関係していることが明らかにされています。

紅斑やメラニンの生成、バリア機能の低下、傷の治癒にも活性窒素が関与していることが、示唆される調査結果が発表されていますが、トコフェリルリン酸Naは表皮角化細胞へのUVB照射による活性窒素生成量を抑制することが観察されています。

このことから、活性窒素による皮膚への障害に、トコフェリルリン酸Naが有効である可能性がしめされています(4)。

また、トコフェリルリン酸Naは、ニキビの原因となるアクネ菌の主要菌を制御することができることが、検証されています(5)。

トコフェリルリン酸Naの配合目的

バリア作用

保湿効果

抗炎症作用

肌荒れ防止

ニキビ防止

トコフェリルリン酸Naの安全性情報

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS667.pdf

トコフェリルリン酸Naのアレルギーの症例は報告されていません。

安全性の検証結果からも、皮膚刺激性は、ほとんどなく、最小限の眼刺激が起こるのみだと考えられます。

また、光毒性および光感作性はないと推察されます(6)。

参考文献

(1) 日本化粧品工業連合会 トコフェリルリン酸Na 平成13年3月6日付医薬審発第163号・医薬監麻発第220号厚生労働省医薬局審査管理課長並びに同監視指導・ 麻薬対策課長通知

(2) 04/03/25 薬事・食品衛生審議会化粧品・医薬部外品部会 平成16年3月25日議事録

(3) TPNa ® | 製品情報 | 昭和電工株式会社 (sdk.co.jp)

(4) dl-α-トコフェリルリン酸ナトリウムは紫外線による活性窒素種の生成を抑制する 中間 満雄, 田中 浩, 石井 泉, 中田 悟 /日本化粧品技術者会誌 2009 年 43 巻 1 号 p. 19-25

(5) DL-α-トコフェリルリン酸ナトリウムはアクネの主要菌を制御する 日本メナード化粧品 総合研究所  赤座誠文 フレグランスジャーナル (FRAGRANCE JOURNAL) No.321 

トコフェリルリン酸Naに関する日本語の論文情報

水溶性ビタミンE誘導体 トコフェリルリン酸ナトリウムの新機能 : 保湿・目のクマ改善・アンチポリューション効果 (化粧品新原料と新たな機能性(2))

佐伯 夕子 , 加藤 詠子 Fragrance journal : Research & development for cosmetics, toiletries & allied industries = フレグランスジャーナル : 香粧品科学研究開発専門誌 49(4), 35-39, 2021-04 医中誌Web

トコフェリルリン酸封入リン脂質ナノ粒子のキャラクタリゼーション及び皮膚浸透性評価

内野 智信 , 宮嵜 靖則 , 藤井 亜子 , 賀川 義之 薬学雑誌. 乙号 137(8), 979-986, 2017 J-STAGE  医中誌Web

dl-α-トコフェリルリン酸ナトリウムは紫外線による活性窒素種の生成を抑制する

中間 満雄 , 田中 浩 , 石井 泉 [他] 日本化粧品技術者会誌 43(1), 19-25, 2009

dl‐α‐トコフェリルリン酸ナトリウムは紫外線による活性窒素種の生成を抑制する

中間 満雄 , 田中 浩 , 石井 泉 , 中田 悟 日本化粧品技術者会誌 43(1), 19-25, 2009 J-STAGE

DL-α-トコフェリルリン酸ナトリウムはアクネの主要菌を制御する (特集 最近のニキビ対応化粧品の開発動向)

赤座 誠文 フレグランスジャーナル 35(5), 25-29, 2007-05 医中誌Web

(アスコルビル/トコフェリル)リン酸Kの応用について (特集/香粧品の新原料・新技術)

今村 徹 , 川戸 淳司 , 林 房子 フレグランスジャーナル 34(10), 63-68, 2006-10

dl-α-トコフェリルリン酸ナトリウムの肌荒れ防止メカニズム (特集/香粧品の新原料・新技術)

大森 敬之 , 中間 満雄 フレグランスジャーナル 34(10), 30-34, 2006-10 医中誌Web

DNAマイクロアレイ解析によるdl-α-トコフェリルリン酸ナトリウムの機能解析 (特集 バイオを利用する化粧品研究)

山口 弘毅 , 小池 俊輔 , 中田 悟 バイオインダストリー 23(8), 35-40, 2006-08

dl-α-トコフェリルリン酸ナトリウムの紫外線皮膚障害防御作用 (教育セミナー:皮膚の美容最前線--2005)

大森 敬之 日本香粧品学会誌 30(1), 18-22, 2006-03 医中誌Web

トコフェリルリン酸Naに関する英語の論文情報

**Sodium** dl-alpha-tocopheryl-6-O-phosphate inhibits PGE2 production in keratinocytes induced by UVB, IL-1beta and peroxidants.

Kato E, et al. Bioorg Med Chem. 2011.PMID: 21945458

Role of hepatocyte growth factor in promoting the growth of human corneal endothelial cells stimulated by L-ascorbic acid 2-phosphate.

Kimoto M, et al. Invest Ophthalmol Vis Sci. 2012. PMID: 23081981

Intestinal radioprotection by vitamin E (alpha-tocopherol).

Felemovicius I, et al. Ann Surg. 1995.PMID: 7574930

Activation of cyclic AMP phosphodiesterase by a new vitamin E derivative.

Sakai T, et al. J Cyclic Nucleotide Res. 1976.PMID: 180065

注意事項

本サイトの情報について:
公開部分については一般の方向け、業界の方向けに情報発信しております。 非公開部分に関しては、業界の方向けで各原料企業様の承認を得た方のみに公開しております。 情報の正確性については正確なように努めますが、サービスの特性上、常に最新情報ではなく、 人による作成、チェックをしており間違いもございますので、 何かございましたら問い合わせよりご連絡頂ければと思います。随時編集、変更を加えます。
安全性や効果効能の情報について:
成分名による安全性や効果効能については、表記の成分表示によって決まるものではなく、 原料や処方によって変わります。成分表示=原料ではありません。各原料会社様によって原料が違い、 規格が違います。化粧品への配合のされ方や配合されている濃度によっても大きく変わります。 あくまで参考情報程度でご理解ください。
最新情報は必ず公式かつ公的な機関より情報を得るように心がけてください。 弊社サイトの情報を活用して、情報発信、商品開発やサービスなどのあらゆるトラブルが起きても弊社では一切責任は負いかねます。
引用/最新情報(Quote and Rates information)
  • Japan Cosmetic Industry Association(https://www.jcia.org/user/business/ingredients/namelist)
  • MHLW(化粧品基準, https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/keshouhin-standard.pdf)
  • 化粧品に配合可能な医薬品の成分について(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb3437&dataType=1&pageNo=1)
  • NMPA(已使用化妆品原料目录(2021), https://www.nmpa.gov.cn/directory/web/nmpa/xxgk/ggtg/qtggtg/20210430162707173.html)
  • JETRO(添付書類二 化粧品への使用制限成分リスト, https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/report/07000822/attachment2.pdf)
  • The European council(https://ec.europa.eu)
  • Korea cosmetic association(https://kcia.or.kr/cid/main)
Recommended sites