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登録件数: 15069 件

表示名称成分詳細

アスコルビルグルコシド

成分番号(JP number): 555443

INCI
ASCORBYL GLUCOSIDE
定義(Description)
本品は、L-アスコルビン酸にグルコースを縮合させたもので、次の化学式で表される。2-O-alpha-D-Glucopyranosyl-L-ascorbic acid
日本の規制情報(Japanese regulation information)
-
中文inci(CN/中国名称)
抗坏血酸葡糖苷
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): (none)
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
아스코빌글루코사이드
CAS No.
129499-78-1
EC No.
425-980-0
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-

関連原料

原料名 表示名称 INCI

アスコルビルグルコシド/ASCORBYL GLUCOSIDE

アスコルビルグルコシドとは

アスコルビルグルコシドは、成分番号 555443、INCI名 Ascorbyl Glucoside、L-アスコルビン酸にグルコースを縮合させたものです(1)。

アスコルビルグルコシドは、食品添加物公定書に平成16年1月20日に「L-アスコルビン酸2-グルコシド」収載されました(2)(3)。

また、医薬部外品の主成分として承認された前例がある物質です(4)。

アスコルビルグルコシドは、アスコルビン酸の2位の水酸基にグルコース1分子が結合した構造をしています。

アスコルビン酸は、一般にビタミンCとして知られる物質です。

アスコルビン酸の2位の水酸基は反応性が高く、アスコルビン酸の抗酸化作用の不活性化の原因となります。ビタミンCは、分解しやすいのは、このためです。

アスコルビルグルコシドは、アスコルビン酸の2位の水酸基に、αグルコシド結合の形でグルコースを結合させているため、分解されにくく安定に存在します。

皮膚にアスコルビルグルコシドを塗布したり、摂取したりすると酵素反応により、アスコルビン酸とグルコースに分解され、アスコルビン酸本来の効果を発揮します。

アスコルビルグルコシドは、水溶液や熱や金属イオンの下でも安定を保ち、色調が変化しません。

また、生体内では酵素の働きにより、アスコルビン酸(ビタミンC)を遊離するため、ビタミンCの抗酸化作用を示します(4)(5)。

アスコルビルグルコシドの配合目的

  • 美白作用
  • 紫外線ダメージの抑制
  • コラーゲン生産の促進

働きと用途

アスコルビルグルコシドの働きは4つ報告されています

  • メラニン合成抑制による美白
  • 黒色メラニンの淡色化による美白
  • 紫外線による細胞へのダメージの抑制
  • コラーゲン生産の促進

この効果を期待し、ローション、乳液、サンケア剤などに配合されています(4)。

アスコルビルグルコシドの安全性情報

https://www.cir-safety.org/sites/default/files/ascorb002019SLR.pdf

安全性

平成25年に、美白を謳った薬用化粧品(医薬部外品)により白斑が生じる問題が発生しました(6)。

厚生労働省では、すべての医薬部外品及び化粧品の製造販売業者に対し、医療関係者から入手した白斑等の健康被害に関する情報情報の有無について自主点検を行い、必要に応じて独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に研究報告を行うとともに、必要な安全確保措置を実施するよう通知しました。

この結果について、平成 25 年度第4回医薬品等安全対策部会(平成 26 年2月 12 日開催)で、 PMDA に報告された 167 件の報告のうち PMDAによる個々の症例の因果関係評価が終了した 83 件の結果について。中間報告が行われました。

この結果のなかで製品との因果関係が否定できないものとして報告された31件のうち12件についてアスコルビルグルコシド(L-アスコルビン酸2-グルコシド)が配合されており、そのうち6件はアスコルビルグルコシド(L-アスコルビン酸2-グルコシド)のみが有効成分とされている製品でした(7)。

ただし、薬用化粧品には有効成分以外にも添加物として多くの成分が含まれていることから、有効成分と白斑の因果関係については明らかにはなっていません。

この事件を受けて、平成26年5月30日付で日本化粧品工業連合会の化粧品の使用場の注意事項の表示自主基準の一部改正が行われました。

この改正で、白斑及び周辺組織での色素増強を念頭に製品の使用中止すべき症状として色抜け(白斑等や黒ずみ)の語句を追加するとともに、知らない間に白斑が生じていた症例が見られることを踏まえて、お肌に異常が生じていないかよく注意して使用してくださいの語句が追記されています(8)。

参考文献

(1) 日本化粧品工業連合会 ヒマワリ種子油脂肪酸フィトステリル 平成13年3月6日付医薬審発第163号・医薬監麻発第220号厚生労働省医薬局審査管理課長並びに同監視指導・ 麻薬対策課長通知

(2) 食品添加物公定書 第9版 L-アスコルビン酸2-グルコシド

(3) 薬事・食品衛生審議会規程第3条に規定する薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会における決定事項の報告について 平成23年12月19日 薬食発1219第1号

(4) アスコルビン酸2-グルコシドの研究|株式会社 林原 (hayashibara.co.jp)

(5) 長瀬産業、メラニン生成過程に作用するビタミンC誘導体を提案 - 化粧品業界人必読!週刊粧業オンライン (syogyo.jp)

(6)(株)カネボウ化粧品、(株)リサージ及び(株)エキップの薬用化粧品の自主回収について (クラスⅡ)

(7) 医薬部外品・化粧品による白斑等の副作用に関する対策について

(8) 化粧品等の使用上の注意について 薬食発 0530第 2 号 平 成 2 6年 5 月 3 0日

アスコルビルグルコシドに関する日本語の論文情報

アスコルビン酸誘導体を用いた基礎研究から応用研究まで(特集:農芸化学分野におけるビタミン・バイオファクター研究の最前線)

田井 章博 ビタミン 93(9), 383-393, 2019 J-STAGE  医中誌Web

アスコルビン酸誘導体の新展開

萬瀬 貴昭

ファルマシア 54(7), 712-712, 2018J-STAGE 医中誌Web

P-62 アシル化アスコルビン酸グルコシドの抗アレルギー作用

三浦 香織 , 森下 雄太 , 松野 弘明 , 青田 勇介 , 伊東 秀之 , 田井 章博 天然有機化合物討論会講演要旨集 59(0), 687-692, 2017 J-STAGE

アスコルビン酸誘導体の創製とその医薬品開発応用への可能性(日本薬学会第136回シンポジウム「ビタミンのケミカルバイオロジー研究」)

田井 章博 ビタミン 91(5.6), 338-347, 2017 J-STAGE  医中誌Web

アスコルビン酸2-グルコシドの抗酸化性に対するトレハロースの増強効果

智史 , 道田 真帆子 , 木村 英人 [他] , 中村 優子 , 有福 一郎 , 横田 一成 日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology 60(4), 193-197, 2013-04-15 J-STAGE  日本農学文献記事索引

2-O-置換型アスコルビン酸誘導体の抗酸化特性 田井 章博 ビタミン 87(2), 70-80, 2013 J-STAGE  医中誌Web

アスコルビン酸グルコシドによるDNAの高次構造変化と放射線感受性への影響 森 利明 , 吉川 祐子 , 鈴木 麻里 , 吉川 研一 日本放射線影響学会大会講演要旨集 2010(0), 123-123, 2010 J-STAGE

安定・持続型ビタミンCの発明から大学発ベンチャーの立ち上げと保健機能性食品の誕生までの道程 山本 格 日本薬理学雑誌 132(3), 160-165, 2008-09-01 J-STAGE  医中誌Web

親油性安定型アスコルビン酸誘導体の創製とその特性に関する研究

田井 章博 ビタミン 82(3), 151-160, 2008 J-STAGE  医中誌Web

ビタミンC配糖体負荷によるマウス脾細胞における放射線照射後のアポトーシス抑制効果と抗酸化酵素活性の変化

木梨 友子 , 増永 慎一郎 , 鈴木 実 , 菓子野 元郎 , 小野 公二 日本放射線影響学会大会講演要旨集 2007(0), 234-234, 2007 J-STAGE

ビタミンC誘導体の生理・薬理機能と化粧品分野での応用 (特集 ビタミン類の新機能と化粧品への応用)

山本 格

フレグランスジャーナル 32(2), 61-73, 2004-02医中誌Web

ビタミンCの分子修飾とその特性に関する研究

山本 格 ビタミン 78(3), 127-140, 2004 J-STAGE  医中誌Web

3.アスコルビン酸誘導体,6-sAcyl-AA-2Gと6-bAcyl-AA-2Gの代謝,細胞内濃度並びに免疫活性化機作についての考察(ビタミンC研究委員会 第113回会議研究発表要旨) 松下 一史 , 竹林 純 , 田井 章博 , 山本 格 ビタミン 78(5-6), 308, 2004 J-STAGE  医中誌Web

(3)アスコルビン酸の新機能についての考察 : サイトカイン系との相互作用について(生命システムにおけるビタミンC)

山本 格

ビタミン 77(7), 383-395, 2003J-STAGE 医中誌Web

2-II-12アスコルビン酸とAA-2G及び6-Acyl-AA-2Gのラジカル捕捉作用の相違について(第55回大会一般研究発表) 竹林 純 , 田井 章博 , 山本 格 ビタミン 77(4), 241, 2003 J-STAGE  医中誌Web

ローヤルゼリーとアスコルビン酸2-グルコシド(AA-2G)によるハムスター皮膚線維芽細胞のコラーゲン産生増強作用

宮田 聡美 , 竹井 恭彦 , 牛尾 慎平 [他] , 岩城 完三 , 池田 雅夫 , 栗本 雅司 Natural medicines = 生薬學雜誌 56(5), 191-194, 2002-10-20 国立国会図書館デジタルコレクション  医中誌Web

有機溶媒中プロテアーゼ触媒によるAA2Gのモノアシル化反応

田井 章博 , 壷阪 紀子 , 山本 格ビタミン 76(3), 187, 2002J-STAGE

**4. PC12細胞におけるBt_2cAMP誘導性神経突起形成に対するAA-2Gおよび6-Acyl-AA-2Gの促進作用について**周 暁華 , 田井 童博 , 山本 格 ビタミン 76(2), 106-107, 2002 J-STAGE  医中誌Web

3. 分岐型アシル化アスコルビン酸誘導体 6-bAcyl-AA-2Gの安定性と代謝 川崎 大輔 , 田井 章博 , 山本 格 ビタミン 76(2), 106, 2002 J-STAGE  医中誌Web

安定型アスコルビン酸誘導体の酵素合成

武藤 徳男 日本農芸化学会誌 75(5), 569-572, 2001-05-01 J-STAGE

4. アスコルビン酸誘導体AA-2Gおよび6-Acyl-AA-2Gのラジカル補足作用とそのメカニズムに関する研究

竹林 純 , 藤浪 良仁 , 田井 章博 , 山本 格 ビタミン 75(3), 173, 2001 J-STAGE  医中誌Web

3. 親油性安定型アスコルビン酸誘導体6-Acyl-AA-2Gの生体内酵素による代謝

川崎 大輔 , 藤浪 良仁 , 田井 童博 , 山本 格 ビタミン 75(3), 172, 2001 J-STAGE  医中誌Web

3.親油性安定型ビタミンC(6-Acyl-AA-2G)の特性と有用性について

山本 格 ビタミン 75(5-6), 342-343, 2001 J-STAGE  医中誌Web

3. 親油性安定型アスコルビン酸誘導体6-Acyl-AA-2Gの酵素的分解速度とメラニン合成抑制作用に関する研究

田井 章博 , 松本 香子 , 山本 格 ビタミン 74(8), 457, 2000 J-STAGE  医中誌Web

**1-III-2 親油性安定型アスコルビン酸誘導体6-Acyl-AA-2Gの酵素的分解速度とメラニン合成抑制作用に関る研究**田井 章博 , 松本 香子 , 山本 格 ビタミン 74(4), 200, 2000 J-STAGE  医中誌Web

1-III-1 親油性安定型アスコルビン酸6-Acyl-AA-2Gの脂質二重膜におけるラジカル捕捉活性及び酵素分解

藤浪 良仁 , 田井 章博 , 山本 格 ビタミン 74(4), 200, 2000 J-STAGE  医中誌Web

3. 親油性安定型アスコルビン酸,6-Acyl-AA-2GのPC12細胞における神経突起形成促進作用について 周 暁華 , 鈴木 由華 , 田井 章博 , 山本 格 ビタミン 73(3), 235, 1999 J-STAGE  医中誌Web

2. アスコルビン酸誘導体AA-2Gおよび6-Acyl-AA-2Gそれら自身が有するラジカル捕捉作用とチロシナーゼ活性阻害作用について

山本 格 , 田井 車博 , 藤浪 良仁 , 岡崎 志野 , 松本 香子 , 溝手 紳太郎 ビタミン 72(9), 488, 1998 J-STAGE  医中誌Web

アスコルビン酸-2-グルコシドおよびアスコルビン酸-2-リン酸の安定性

渡辺 剛幸 , 細川 秀毅 , 元木 喜隆 [他] , 示野 貞夫 水産増殖 44(3), 369-373, 1996-09-20 J-STAGE  日本農学文献記事索引

アスコルビン酸2‐O‐α‐グルコシドの紫外線皮膚色素沈着抑制効果

宮井 恵里子 , 山本 格 , 秋山 純一 , 柳田 満廣 西日本皮膚科 58(3), 439-443, 1996 J-STAGE

2.新規安定型アスコルビン酸誘導体,AA-2Gの発見とその合成ならびに生物活性 : ビタミンC研究委員会第84回会議研究発表要旨

山本 格 ビタミン 68(11), 687, 1994 J-STAGE

アスコルビルグルコシドに関する英語の論文情報

Enhanced vitamin C skin permeation from supramolecular hydrogels, illustrated using in situ ToF-SIMS 3D chemical profiling.

Starr NJ, et al. Int J Pharm. 2019.PMID: 30885652

Ultrasound enhanced skin-lightening effect of vitamin C and niacinamide.

Hakozaki T, et al. Skin Res Technol. 2006.PMID: 16626384 Clinical Trial.

Environmentally friendly LC for the simultaneous determination of ascorbic acid and its derivatives in skin-whitening cosmetics.

Balaguer A, et al. J Sep Sci. 2008.PMID: 18172918

Successful short-term and long-term treatment of melasma and postinflammatory hyperpigmentation using vitamin C with a full-face iontophoresis mask and a mandelic/malic acid skin care regimen.

Taylor MB, et al. J Drugs Dermatol. 2013.PMID: 23377327

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引用/最新情報(Quote and Rates information)
  • Japan Cosmetic Industry Association(https://www.jcia.org/user/business/ingredients/namelist)
  • MHLW(化粧品基準, https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/keshouhin-standard.pdf)
  • 化粧品に配合可能な医薬品の成分について(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb3437&dataType=1&pageNo=1)
  • NMPA(已使用化妆品原料目录(2021), https://www.nmpa.gov.cn/directory/web/nmpa/xxgk/ggtg/qtggtg/20210430162707173.html)
  • JETRO(添付書類二 化粧品への使用制限成分リスト, https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/report/07000822/attachment2.pdf)
  • The European council(https://ec.europa.eu)
  • Korea cosmetic association(https://kcia.or.kr/cid/main)
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