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登録件数: 15069 件

表示名称成分詳細

甘草フラボノイド

成分番号(JP number): 552870

INCI
(NOTHING)
定義(Description)
本品は、カンゾウ Glycyrrhiza glabra 、 Glycyrrhiza uralensis 又はその他同属植物( Leguminosae )の根のエキスで、主としてフラボノイドからなる。
日本の規制情報(Japanese regulation information)
【化粧品に配合可能な医薬品の成分について】*カンゾウエキスについて記載。<100g中の最大配合量(g)について> 粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流すもの: (8.00)g,<100g中の最大配合量(g)について> 粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流さないもの: 4.3g,粘膜に使用されることがある化粧品: (2.0)g, 注1) 旧基準に収載されていた成分。注2) ( )内は、旧基準において示していた成分の分量を参考に付したもの。注3) 一部、用途の違いによりその整合性を図ったこと。
中文inci(CN/中国名称)
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中国の規制情報(Chinese regulation information)
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韓国inci(KR/ハングル/성분명)
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CAS No.
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EC No.
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EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
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関連原料

原料名 表示名称 INCI

甘草フラボノイド

甘草フラボノイドとは

甘草フラボノイドは、マメ科植物カンゾウ(学名:Glycyrrhiza uralensis、Glycyrrhiza glabra、英名:licorice)の根および根茎から得られる植物エキスです。甘草フラボノイドは主にフラボノイドからなる油溶性抽出物で、カンゾウ根エキスとは成分や作用が異なります。

カンゾウ(甘草)は中国からヨーロッパ南部にかけて分布している多年草で、日本でも薬草園などでいくつかの種が栽培されています。地下浅くにストロンと呼ばれる茎を伸ばして広がっており、根と茎には強い甘味があるため、甘草(カンゾウ)という名前が付きました。含有するグリチルリチンはショ糖の150倍以上の甘味を有しており(1)、食品用の甘味料として使用されることもあります(2)。

生薬としてのカンゾウ

カンゾウの根およびストロンを乾燥させたものは、生薬として甘草(かんぞう)の名前で知られています。

「生薬の王」とも称されている甘草は、約4000年も前から薬用植物として使用されてきました。古くは紀元前18世紀のハンムラビ法典をはじめ、紀元前3世紀のヒポクラテス全集や中国最古の薬物書『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』にも収載されています。

甘草の主な薬効としては、顕著な胃液分泌抑制作用、消化器性潰瘍(かいよう)の治癒促進、鎮痙(ちんけい)、鎮咳(ちんがい)などが知られています(3)。また、息苦しさの防止や解毒、喉の痛み止め、消炎などにも効果があります。主要成分のグリチルリチンには、副腎皮質ホルモン作用、特にアルドステロン様の作用や抗炎症、抗アレルギー作用が見出されています(4)。

漢方では、甘草には他の生薬の働きをたかめたり、毒性を緩めたりする「調和」作用があり、もっとも多くの漢方薬に配合される生薬です。甘味には心身の緊張を緩める作用があり、甘味の強い甘草には精神状態を安定させる働きがあります。消化管や下肢、尿管などの身体の筋の緊張を緩めるためにも使用されます(5)。

甘草フラボノイドの成分

甘草フラボノイドの成分には、

・フラボノイド:glabridin, licochalcone A

などが含まれています(6)。

甘草フラボノイドの化粧品への配合

甘草フラボノイドに含まれているフラボノイド成分のグラブリジンやリコカルコンなどには、抗チロシナーゼ(抗メラニン生成)作用、ホスホリパーゼA2阻害(抗炎症)作用、テストステロン5αレダクターゼ阻害(抗脱毛症)作用、ヒアルロン酸活性作用などが知られています。そのため、美白、抗炎症、育毛、シワ予防、ニキビ予防などを目的として広く化粧品に配合されています(6)。

参考文献

(1) 伊沢凡人, 他 (1999)「カンゾウ」カラー版薬草図鑑, 82-83

(2) 指田豊, 他 (2013)「カンゾウ」身近な薬用植物, 255

(3) 伊藤美千穂, 他 (2017)「ウラルカンゾウ」生薬単, 148-149

(4) 水野瑞夫, 他 (2014)「カンゾウ」くらしの薬草と漢方薬, 136

(5) 田中耕一郎  (2020)「甘草」生薬と漢方薬の事典, 45

(6) 鈴木一成 (2008)「甘草フラボノイド」化粧品成分用語事典2008, 263

甘草フラボノイドの配合目的

抗メラニン生成作用抗炎症作用抗脱毛症作用ヒアルロン酸活性作用

甘草フラボノイドの安全性情報

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR442.pdf

甘草フラボノイドに関する日本語の参考論文

72 甘草フラボノイドによる接触皮膚炎の1例(皮膚アレルギー(アトピー性皮膚炎を除く)1,一般演題,第21回日本アレルギー学会春季臨床大会)

杉浦 真理子 , 杉浦 啓二アレルギー 58(3-4), 406, 2009

甘草フラボノイド画分の新たな皮膚科学的有用性  ニキビに対する効果:ニキビに対する効果

神原 敏光 , 周 艶陽 , 川嶋 善仁 , 岸田 直子 , 水谷 健二 , 池田 孝夫 , 亀山 孝一郎 日本化粧品技術者会誌 37(3), 179-186, 2003

甘草フラボノイドに関する英語の参考論文

Lollipop containing Glycyrrhiza uralensis extract reduces Streptococcus mutans colonization and maintains oral microbial diversity in Chinese preschool children.

Chen Y, Agnello M, Dinis M, Chien KC, Wang J, Hu W, Shi W, He X, Zou J.PLoS One. 2019 Aug 23;14(8):e0221756. doi: 10.1371/journal.pone.0221756. eCollection 2019.PMID: 31442287 Free PMC article. Clinical Trial.

Spectrum-Effect Relationships of Flavonoids in Glycyrrhiza uralensis Fisch.

Li T, Hua S, Ma J, Dong L, Xu F, Fu X.J Anal Methods Chem. 2020 Dec 3;2020:8838290. doi: 10.1155/2020/8838290. eCollection 2020.PMID: 33343964 Free PMC article.

The immunostimulatory activity of polysaccharides from Glycyrrhiza uralensis.

Aipire A, Mahabati M, Cai S, Wei X, Yuan P, Aimaier A, Wang X, Li J.PeerJ. 2020 Jan 29;8:e8294. doi: 10.7717/peerj.8294. eCollection 2020.PMID: 32030319 Free PMC article.

In vitro production and distribution of flavonoids in Glycyrrhiza uralensis Fisch.

Zhou Y, Jiao Y, Sun Y, Gao S.J Food Sci Technol. 2020 Apr;57(4):1553-1564. doi: 10.1007/s13197-019-04191-w. Epub 2019 Dec 5.PMID: 32180652 Free PMC article.

Antimicrobial Effects against Oral Pathogens and Cytotoxicity of Glycyrrhiza uralensis Extract.

Yang SY, Choi YR, Lee MJ, Kang MK.Plants (Basel). 2020 Jul 3;9(7):838. doi: 10.3390/plants9070838.PMID: 32635264 Free PMC article.

[Production regionalization study of Glycyrrhiza uralensis].

Wang HQ, Ma L, Wang Q, Dong L, Ding R, Di TY, Li M, Zhang XB, Wang YH.Zhongguo Zhong Yao Za Zhi. 2016 Sep;41(17):3122-3126. doi: 10.4268/cjcmm20161702.PMID: 28920359 Chinese.

Preparation, Characterization, and Immuno-Enhancing Activity of Polysaccharides from Glycyrrhiza uralensis.

Aipire A, Yuan P, Aimaier A, Cai S, Mahabati M, Lu J, Ying T, Zhang B, Li J.Biomolecules. 2020 Jan 19;10(1):159. doi: 10.3390/biom10010159.PMID: 31963790 Free PMC article.

Immune Responses of Asian Seabass Lates calcarifer to Dietary Glycyrrhiza uralensis.

Yang R, Han M, Fu Z, Wang Y, Zhao W, Yu G, Ma Z.Animals (Basel). 2020 Sep 11;10(9):1629. doi: 10.3390/ani10091629.PMID: 32932808 Free PMC article.

Hepatoprotective effect of total flavonoids from Glycyrrhiza uralensis Fisch in liver injury mice.

Gou SH, He M, Li BB, Zhu NY, Ni JM.Nat Prod Res. 2020 Sep 28:1-5. doi: 10.1080/14786419.2020.1824223. Online ahead of print.PMID: 32985239

GuUGT, a glycosyltransferase from Glycyrrhiza uralensis, exhibits glycyrrhetinic acid 3- and 30-O-glycosylation.

Huang Y, Li D, Wang J, Cai Y, Dai Z, Jiang D, Liu C.R Soc Open Sci. 2019 Oct 9;6(10):191121. doi: 10.1098/rsos.191121. eCollection 2019 Oct.PMID: 31824719 Free PMC article.

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引用/最新情報(Quote and Rates information)
  • Japan Cosmetic Industry Association(https://www.jcia.org/user/business/ingredients/namelist)
  • MHLW(化粧品基準, https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/keshouhin-standard.pdf)
  • 化粧品に配合可能な医薬品の成分について(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb3437&dataType=1&pageNo=1)
  • NMPA(已使用化妆品原料目录(2021), https://www.nmpa.gov.cn/directory/web/nmpa/xxgk/ggtg/qtggtg/20210430162707173.html)
  • JETRO(添付書類二 化粧品への使用制限成分リスト, https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/report/07000822/attachment2.pdf)
  • The European council(https://ec.europa.eu)
  • Korea cosmetic association(https://kcia.or.kr/cid/main)
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