表示名称

登録件数: 15069 件

表示名称成分詳細

ラフィノース

成分番号(JP number): 555839

INCI
RAFFINOSE
定義(Description)
本品は、サトウダイコン Beta vulgaris の根から得られるものであり、次の化学式で表される三糖類である。alpha-D-Glucopyranoside, beta-D-fructofuranosyl O-alpha-D-galactopyranosyl-
日本の規制情報(Japanese regulation information)
-
中文inci(CN/中国名称)
棉子糖
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 4, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 3
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
라피노오스
CAS No.
512-69-6
EC No.
208-146-9
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-

関連原料

原料名 表示名称 INCI

ラフィノース/RAFFINOSE

ラフィノースとは

ラフィノースは、サトウダイコン Beta vulgaris の根から得られ、次の化学式で表される三糖類で、成分番号は555839、INCI名は Raffinoseです。

医薬部外品原料規格では、「ラフィノース水和物」英名:Raffinose Hydrate 別名:ラフィノースで収載されています。

ラフィノースは、結晶で吸湿性のないオリゴ糖です。

自然界では、サトウダイコンの他、ユーカリの樹液や大豆に多く含まれていることが知られています。

構造的には二糖類のショ糖にガラクトースが結合した形で、グルコース、フルクトース、ガラクトースが結合した三糖類です。

サトウダイコンは、ビートとも呼ばれ、日本の北海道など、比較的緯度の高い地域で作られる作物です。サトウダイコンは、その名の通り、砂糖の原料となります。

ラフィノースは、砂糖製造の際にでる糖蜜から、クロマトグラフ法で生成されます。

サトウダイコンの収穫は秋以降で、気温が低くなるのに合わせて、サトウダイコンが凍結防止のため、細胞内にラフィノースを貯蔵しはじめることが知られています。

ラフィノースの安定性は、砂糖とほぼ同じで、熱に対しては140℃までは安定です。180℃まで加熱するとメルビオースとフルクトースに分解します。

pH3.5の条件下で、90℃30分間の加熱でもほとんど分解しません。

ラフィノースの配合目的

  • 保湿
  • 肌のバリア機能回復

働きと用途

ラフィノースは、上品な砂糖に近い甘みを持ちますが、胃や腸では分解されない物質です。このため、砂糖よりエネルギーになりにくい糖です。

また、成人を対象にした臨床試験によると、1日3g以上ラフィノースを摂取すると、摂取量に相関して腸内ビフィズス菌が増加することが確かめられ、便通を改善し、腸内腐敗物質を低下させると考えられます。

また、腸内のビフィズス菌が増加することによって、免疫細胞の機能が高まる可能性があることが示唆されています(4)(5)。

化粧品分野では、ラメラ構造形成促進による保湿・バリア機能改善作用を期待して、スキンケア、ボディケア、メイクアップ化粧品、洗顔料&洗顔石鹸、日焼け止めなどに配合されます。

皮膚は脂質と水分が層状に積み重なった構造をしています。この構造を「ラメラ構造」といい、が細胞の間を充たすことで、肌から水分が蒸発するのを防いでいます。

ファンケルの研究で、ラフィノースには、ラメラ構造を増やす働きがあることが解明されました。ラメラ構造の乱れている人が、ラフィノース化粧水を使うと、ラフィノースの入っていない化粧水を使用した場合と比較してラメラ構造の回復が早まり、バリア機能が高まることがわかりました(6)。

参考文献

(1) 日本化粧品工業連合会 ラフィノース 平成13年3月6日付医薬審発第163号・医薬監麻発第220号厚生労働省医薬局審査管理課長並びに同監視指導・ 麻薬対策課長通知

(2) 医薬部外品原料規格 ラフィノース

(3) ラフィノースとは 日本甜菜製糖株式会社 copyright©2014 Nippon Beet Sugar Manufacturing Co.,Ltd. all rights reserved.

(4)「免疫細胞に対するオリゴ糖(ラフィノース)の影響」鴨居久一(日本歯科大学附属病院院長 : 医学博士・歯学博士) 第16回日本歯科薬物療法学会、歯学第85巻第4号 平成10年3月1日発行別冊

(5) 難消化性オリゴ糖の抗アレルギー免疫調節作用 (jst.go.jp) 名倉 泰三, 八村 敏志, 上野川 修一 腸内細菌学雑誌/18 巻 (2004) 1 号/

(6) 「ラフィノースのバリア機能改善効果」Fragrance Journal(33)(10),57-63. 桜井哲人 (ファンケル 総合研) , 坂谷志織 (ファンケル 総合研)

ラフィノースの安全性情報

ラフィノースは、サトウダイコンから分離して、精製して得られる天然物質です。公的試験機関による急性毒性試験・変異原生試験の結果、安全であることが確認されています。

ラフィノースに関する日本語の論文情報

糖類およびその誘導体の特性と応用

池本 毅 日本化粧品技術者会誌 34(3), 231-240, 2000 J-STAGE

思春期 成人のアトピー性皮膚炎に対するラフィノースの治療効果と腸内菌叢の変化

千葉友幸アレルギーの臨床 283, 1039-1043, 2001医中誌Web

ラフィノースのアトピー性皮膚炎改善作用

名倉 泰三 , 有塚 勉 , 佐山 晃司 ニュ-フ-ドインダストリ- 42(6), 17-23, 2000-06 被引用文献2件

アトピー性皮膚炎に対するラフィノースの改善効果 (mini特集 オリゴ糖の新機能)

名倉 泰三 , 佐山 晃司 食品と開発 35(4), 20-22, 2000-04

W179 ラフィノース投与による成人アトピー性皮膚炎患者の腸内細菌叢および臨床症状の変化

千葉 友幸 , 竹内 せち子 , 名倉 泰三 アレルギー 49(2-3), 278, 2000 J-STAGE  医中誌Web

ラフィノースのアトピー性皮膚炎改善作用 (特集 食物アレルギーを防ぐ(2))

名倉 泰三 , 有塚 勉 , 佐山 晃司 食品工業 42(4), 29-35, 1999-02-28

261 成人型アトピー性皮膚炎患者の腸内フローラに与えるラフィノースの影響

千葉 友幸 , 竹内 せち子 , 名倉 泰三 アレルギー 48(8-9), 1010, 1999 J-STAGE  医中誌Web

アトピ-性皮膚炎に対するラフィノ-スの効果 (特集 アレルギ-対応食品&素材)

名倉 泰三 , 佐山 晃司 Food style 21 2(4), 62-65, 1998-04

ラフィノースに関する英語の論文情報

Coconut water solutions for the preservation of spleen, ovary, and skin autotransplants in rats.

Schettino César JM, et al. Transplant Proc. 2015. PMID: 25769603

Cool perfusion solutions for skinflaps: a new mixture of pharmacological agents which improves skin flap viability.

Kohout M, et al. Br J Plast Surg. 1995.PMID: 7735675

Modulation of NFAT-5, an outlying member of the NFAT family, in human keratinocytes and skin.

Al-Daraji WI, et al. Am J Transl Res. 2009.PMID: 19956430 Free PMC article.

Transport behavior of hairless mouse skin during constant current DC iontophoresis I: baseline studies.

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UW solution as an experimental microvascular skin flap perfusate.

Weinberg H, et al. Microsurgery. 1993.PMID: 8271933

Production of dissolvable microneedles using an atomised spray process: effect of microneedle composition on skin penetration.

McGrath MG, et al. Eur J Pharm Biopharm. 2014. PMID: 23727511

Evaluation of hydrophilic permeant transport parameters in the localized and non-localized transport regions of skin treated simultaneously with low-frequency ultrasound and sodium lauryl sulfate.

Kushner J 4th, et al. J Pharm Sci. 2008.PMID: 17887123

Prolongation of secondary critical ischemia time of experimental skinflaps using UW solution as a normothermic perfusate.

Babajanian M, et al. Otolaryngol Head Neck Surg. 1993. PMID: 8441539

A mechanistic study of the effects of the 1-alkyl-2-pyrrolidones on bilayer permeability of stratum corneum lipid liposomes: a comparison with hairless mouse skin studies.

Yoneto K, et al. J Pharm Sci. 1995.PMID: 7562437

Transport behavior of hairless mouse skin during constant current DC iontophoresis, part 2: iontophoresis of nonionic molecules with cotransport of polystyrene sulfonate oligomers.

Liddell MR, et al. J Pharm Sci. 2011.PMID: 21455977

Enhancement of fluorescein perfusion in experimental skin flaps following postischemic washout with iloprost, urokinase, verapamil, and University of Wisconsin solution.

Israeli D, et al. J Reconstr Microsurg. 1993.PMID: 7506790

EFFECTS OF D2O AND OSMOTIC GRADIENTS ON POTENTIAL AND RESISTANCE OF THE ISOLATED FROG SKIN.

LINDLEY BD, et al. J Gen Physiol. 1964.PMID: 14127611 Free PMC article.

Amelioration of secondary ischaemic injury by perfusion with University of Wisconsin (UW) solution in rat skinflaps.

Angel MF, et al. Br J Plast Surg. 1993.PMID: 8330084

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引用/最新情報(Quote and Rates information)
  • Japan Cosmetic Industry Association(https://www.jcia.org/user/business/ingredients/namelist)
  • MHLW(化粧品基準, https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/keshouhin-standard.pdf)
  • 化粧品に配合可能な医薬品の成分について(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb3437&dataType=1&pageNo=1)
  • NMPA(已使用化妆品原料目录(2021), https://www.nmpa.gov.cn/directory/web/nmpa/xxgk/ggtg/qtggtg/20210430162707173.html)
  • JETRO(添付書類二 化粧品への使用制限成分リスト, https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/report/07000822/attachment2.pdf)
  • The European council(https://ec.europa.eu)
  • Korea cosmetic association(https://kcia.or.kr/cid/main)
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